なろう読んでるやつバカだろwwwこんなの俺でも書けるわwww

クソ難かった二度とやらない

兄は残念な人だ。実の妹がコツコツ貯めたお小遣いで買った音楽プレーヤーを失くしてしまったらしい。
だから、残念な人だ、というのではない。どれほど大事にしていても、物を失くしてしまうことはある。
それは仕方のないことで、兄が特別に無能だというわけではない。
でも、妹の部屋に来るときはノックをするという約束を忘れたことや、
突然、扉を開けられて驚いている私の気持ちを放置したまま、土下座をし始めたこと、
それから、兄の後ろに見えた兄の部屋の光景が、ついさっきまでプラモデル組み立ててましたって感じだったことなんかから、
兄の無神経さや不誠実さが伝わってしまっているということが残念なのだ。
ついでに、アニメのキャラクターのちょっと露出の高いフィギュアが並んだ棚とか、
家の中では束縛されたくないと言ってベルトを締めない所為で、腰のあたりから下着が覗いていることも減点だ。
「本当に反省してる?」
「してる。してる、してるともさ!」
していない。言葉の上では、謝罪もあったし、自分に非があったことも認めていた。それは、偉いと思う。
だけど、音楽プレーヤーを失くしたことを、自分の無能の所為にしたのは逃げているだけ。
今後、物をなくさないための対策も、補償も、何一つ具体的なことはないまま、
買ったばかりのプラモデルを、ついつい開けて組み立ててしまったのだろう。
まるっきり子供みたい。本当に反省しているなら、今後のことと、相手のことを真っ先に考えるはず。
それなのに、兄のとった行動は、私の部屋に飛び込んできて、土下座をしながら事の顛末を早口で捲し立てるということだけ。
おやつのアイスクリームくらいは、譲ってくれてもいいのに。
「わかったよ、許してあげる」
「本当に!?」
「うん、仕方ないよ。それにあれ、最近、調子悪かったし、そろそろ買い替えようと思ってたところなんだよ」
「そ、そっか。不幸中の幸いってやつ、みたいな?」
「そうそう」
こういう時、兄は尊いものを見るような目で、私を見る。
その視線は、私が普段学校にいるときも、男子から(時々、女子からも)注がれるものだ。
彼らのために、理想の女の子を演じてあげるのは、正直、楽しい。
「それじゃあ、私、買い物に行ってくるね」
「お、おう。そうだ、これ、代わりと言っちゃなんだけどさ、好きだっただろ」
兄がくれたのは、多分、ガチャガチャの景品。
私がもっと小さかったころに、ずっと好きだったかわいいアイドル。
今では、そんな熱も冷めてしまったけど。
「ありがとう、お兄ちゃん」
いつも通り、夕飯の買い出しに向かう。理想の、都合のいい、夢のような、女の子。
これで、空から落ちてこようものなら、世の男子諸君は例外なく恋に落ちるでしょう。なんて――

(突然だけど聞こえますか……今、あなたの脳内に直接語り掛けています)
聞こえていますとも。もしかして、この状況に何か説明でもしてくれたら、あなたを信仰してもいいってくらい。
(エッ、マジ、ウッソ、本当?)
急に、地を出さないでください。でも、本当ですよ。
(ハイ、言質とりましたー! それじゃあ、説明するわね。
 私、女神さま!ひょんなことから管理している世界が窮地に立たされちゃった。
 女神さまの責任として、冒険者を送り込み、世界の窮地に立ち向かおう!ってそんな感じだったんだけど、
 残念なことがありました……女神さま、しくしく)
すみません、女神さま、もうちょっと急ぎでお願いします。
(オッケー!とにかく!
 あなたのお兄さんを異世界で活躍させる手筈だったんだけどぉ……お兄さん今日なんか、失くさなかった?)
私の音楽プレーヤーを。
(それです。それが、異世界にいくためのキーアイテム、になる予定だったんだけど、失くしたらだめじゃん。
 それで代わりにガチャガチャの景品をね?)
わかりました。それで、私は、どうして、落ちているんですか。
(ミスっちゃった。でも安心して、女神さまは優秀なのです。
 あなた以外にも、数人候補はいるのです!そんなわけで、成仏してくださーい。えんえーん)
馬鹿げた話だけど、不思議とリアリティを感じた。
肌を切る風が、遠くなる空が、美しい山々と緑の草原が、これは本当のことだと、人間はいつか死ぬのだと、今さらになって教えてくれる。
考えようによっては、交通事故に遭うようなものだ。普通に生きていても起こりうることだ。
だから、地面(した)は見たくない。

タイトルは「俺の妹がこんな……死んだ!」にするわ
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